カテゴリー
2018年 閉店のセキレキ

2018年の閉店

Pocket

今年も、昨年に引き続き、閉店、休業ラッシュでした。理由の多くは店舗の老朽化、再開発計画による立ち退き、そして店主の高齢化です。安くて旨い店は客にとってはありがたいものの、店にとっては儲けも少なく、子供に継がせるのを躊躇し、一代限りで店を畳むという例も少なくありません。そうした中、水道橋の「立喰そば とんがらし」は、高齢化による閉店にともない、店を厨房施設ごと居抜きで、仕入れや段取りまで含めて誰かに譲りたいという貼り紙を出しました。結果はまだ分かりませんが、この試みが成功してほしいと切に願っています。

【1月】
ファースト(新橋)
‪1月12日‬閉店。新橋駅前ビル1号館の地下1階にあった喫茶店。年配のママが切り盛りされていて、コーヒーが250円で飲める新橋サラリーマンのオアシスでした。

桝本屋酒店(池袋)
‪1月25日‬閉店。池袋の角打ちは、一昨年「笹屋」が無くなり、この「桝本屋酒店」も店を畳み、寂しい限り。洒落たつまみなど一切無く、乾き物で赤星を呑るような昔ながらの角打ちでした。

冨士三屋(京成関屋)
‪1月31日‬閉店。京成関屋駅の脇にあった路麺。50mも離れていない東武牛田駅との乗り換え客には重宝なお店だったのでは。出汁が香らない汁、ぼそぼその麺、揚げ置きの種モノ、そんな昔ながらのそばがなんとも好きだったな。

百飲(秋葉原)
‪1月31日‬閉店。ドリンクもつまみも基本100円の激安立ち飲み。ハイボールとメンチ、熱燗と冷奴、サワーとポテサラなんて組み合せで注文し、200円払って15分で出る、そんなスタイルが粋なお店でした。

庚申酒場(庚申塚)
最終営業日がいつだったのか定かではありません。高齢のおかみさんが体調を崩されたり怪我をされたりして、開けたり休んだりを繰り返されてたけど、ついに永遠にお店を畳まれてしまったようです。おかみさんの歯に衣着せぬ、ちゃきちゃきの江戸っ子トークも、もう聞けないんですね。

【3月】
味の工房 菜苑 本店(浅草)
‪3月30日‬閉店。ビルの老朽化と再開発がその理由のようです。「あずま」も火災で再開の目処が立たず、こちらの「菜苑」も閉店で、純正の純レバ丼が食べられる店は錦糸町の「菜苑」だけになってしまいました。「あれ」とか「たまごっち」といった謎メニューも楽しい街中華で、昔ながらのラーメンもおいしかった。残念です。

天丼いもや二丁目店(神保町)
とんかついもや(神保町)
‪3月31日‬閉店。30数年前、新卒で入った会社が神保町にあり、その頃はたしか天丼が450円、とんかつが550円だったと思います。お金のないペーペーにとって「いもや」は神様のような存在でした。

白蘭(神田)
3月に行ったときには、すでに閉店していました。「オリジナル坦々麺」というあまりにオリジナル過ぎる担々麺が売りで、その麻薬的な魅力に抗うことはできませんでした。もうあれが食べられないなんてあまりにショックです。

【5月】
大黒そば(池袋)
‪5月29日‬閉店。店主ご夫妻高齢化により引退とのこと。独自製法の凝縮型?春菊天が秀逸な路麺でした。少し時間はかかるものの茹でたてのそばが旨かった。‪朝7時から‬やっていたので、飯能方面に山歩きに出向く時には、一旦、池袋の駅を出て、こちらで腹ごしらえするのが常でした。

【6月】
そば清(東十条)
‪6月9日‬閉店。東十条は駅を挟んで「そば谷」「そば清」という個性的な路麺があって、降りるのが楽しみだったのに、4年前に道路の拡張計画で「そば谷」が、そして今年、店舗の老朽化で「そば清」も店を閉じてしまいました。間口が広く、両サイドに入り口があり、それぞれに暖簾がかかっているというはったりのきいた店構えで、いつも左右どちらの暖簾をくぐろうかと迷うのが楽しいお店でした。

まだん(銀座)
銀座と新橋を結ぶガード下トンネル「西銀座JRセンター」の閉鎖、再開発に伴い、「まだん」をはじめとした数軒の飲食店も店を畳みました。こんなところにお店が!という意外性と、想像以上に旨い韓国料理。場所を移して営業されるとのこと。おかみさん、新天地での再会を心待ちにしていますよ。

みのかん(神奈川)
今年閉店したお店のなかでも一番ショックだったのが「みのかん」。おやじさんが急逝されたそうです。横浜に3軒残った市民酒場のひとつでした。安く飲めるありがたいお店でしたが、魅力は安さだけではなく、時がとまったような、その独特なお店の空気感でした。亡くなるまでご夫婦だと思っていたおやじさんとおかみさんが兄妹(姉弟?)だったと聞いてびっくり。厨房から漏れ聞こえるお約束の口論は痴話げんかではなかったんですね。いつもおかみさんにやり込められていたおやじさんに合掌。
※閉店後知ったのは夫婦じゃなく兄妹だったってこと。

豊田屋(日暮里)
建て替えのため休業とのことですが、再開時期は決まっていないようです。昔ながらの居酒屋で、アテはなんでも揃っていました。チューハイやハイボールではなく、瓶ビールと日本酒が似合うお店でしたね。

福田屋(大森)
老舗の甘味処。今年の1月に初めて訪れ、また絶対に来ようと思っていたのに、半年も経たないうちに店じまい。「田舎しるこ」は180円。あっさりした甘さで2杯も頼んでしまいました。建物は年季が入っていて味わい深く、大きな窓からは手入れの行き届いた中庭を望むことができるたいそう居心地の良い空間でした。残念だなぁ、閉店を知っていれば、もう1杯しるこをおかわりしたのに。

【7月】
中華そば おはる(門前仲町)
‪7月4日‬閉店。門仲から茅場町に向かう永代通り沿いの運河のたもとに佇む古風な建物が「おはる」でした。若い大将が継がれて、なかなか旨いラーメンを食べさせてくれたのに。何が理由で店を閉めたのか分かりませんが、もっと足を運べばよかった。せめて、あの建物を残すすべは無いものでしょうか。

八起(赤羽)
‪7月25日‬閉店。OK横丁に古くからある居酒屋。ほとんどの人が頼む謎メニュー「チャーメン」と「オッパイ炒め」。あれ、もう1度食べたかったな。

いづみや(日暮里)
7月のある日、自転車で店の前を通りかかったら、もう昼営業の時間なのにシャッターが閉まっていて、それ以来、気にかけていたのに、2度とシャッターが開くことはありませんでした。焼酎梅割りにつまみはチーズと焼き海苔がここでの定番。飲むに良し、食べるに良しの居酒屋兼食堂で、昼飲みにもってこいだったのにな。

阿波屋(町屋)
この投稿に「阿波屋」の店名を刻む日が来るとは思ってもみませんでした。この店は私の地元にあり、通勤路なので、朝晩、日に2度は前を通ります。7月からかれこれ半年近く店は閉じられたままで、扉のすりガラス越しに、隙間からねじ込まれた郵送物が床に散乱しているのが垣間見えます。深夜‪0時‬前に開店する町屋の深夜食堂。看板も、お品書きの価格表も無い、カウンター6席のあばら家。「ラジオ深夜便」が静かに流れる‪午前1時‬。客が自分ひとりのときに、御齢80歳を超える大将から突然「あんたしあわせ?」と訊かれ、咄嗟の受け答えができず口ごもってしまったことが忘れられません。大将、元気になって戻ってきてください。いつまでも待ってます。

【9月】
うけもち(水道橋)
‪9月28日‬閉店。ほとんどのドリンク、つまみが300円の立ち飲みで、ほやの塩辛、ふぐ卵巣糠漬、いなご佃煮といった珍味が食べられるのが特徴。店の照明がほの暗くて、客が騒いでいても、テレビが流れていても、なぜかおごそかな雰囲気のある不思議なお店でした。最近は足が遠のいていたので、こうして閉店の知らせを聞くと、悔いが残りますね。

【10月】
ふくちゃん(築地)
10月6日閉店。もうずっと足を運んでいませんでしたが、たぶん、30年近く前、はじめて博多ラーメンというものを食べたのが「ふくちゃん」だったと記憶しています。高菜や紅生姜の盛り放題や替え玉のシステムが新鮮でした。築地も変わりますね。

かいどう(渋谷)
10月20日閉店。再開発で桜丘のこの界隈の建物はしばらくしたら一掃されてしまいます。渋谷はあまり好きな街ではないのですが、百軒店と桜丘は馴染みの店がいくつかありました。街中華の「かいどう」や立ち飲みの「富士屋本店」が無くなってしまえば、渋谷に来る機会はますます減ることでしょう。

たぬきや(稲田堤)
10月28日閉店。多摩川河川敷の“天国に一番近い酒場”「たぬきや」。ずっと行きたいお店でしたが、初訪問は今年のゴールデンウィークでした。ご近所さんが犬の散歩がてら立ち寄るような、ゆるい雰囲気がサイコーで、いっぺんに気に入ってしまったものです。その後、閉店を知り、仲間と2度、訪ねましたが、なにか夢うつつですね。あれはほんとに夢だったんじゃないかと。楽しかった記憶だけが心の底に刻まれています。

富士屋本店(渋谷)
10月31日閉店。桜丘再開発の噂は以前から聞いていたのに、なぜだか「富士屋本店」の閉店とは結び付いていませんでした。あの富士屋が無くなるなんてあり得ないという思い。居ても立ってもいられず、閉店前に最後のお別れをしてきましたが、今でも店を閉じたことが信じられず、現実を見つめるのが怖くて、渋谷方面に足を向けることすら憚られるのです。たぶん、初めての立ち飲み体験が富士屋だったと思います。いつも頼むのはハムキャ別、スパサラと決まっていました。あの地下空間の熱気に献杯!

【11月】
SHOWA(板橋)
11月30日閉店。つまみもドリンクも120円! 10枚1200円のチケットを買うシステムですが、使いきれない人続出。まさに大人の遊園地でしたね。僕が訪ねた4年前はチケットが1000円から1100円に値上がりしたばかりの頃でしたが、とんかつもピザもカレーライスも釜飯もさんまの塩焼きもみーんなチケット1枚(110円)で買えたんです。閉店前にもう1度行きたかったですね。

【12月】
煮込みやなりた(代々木)
予約が取れない超人気店なのに、まさかの閉店。そしてラッキーなことに、お誘いいただいて10月の末に最初で最後のなりたを体験することができました。ユニークでボリューム満点のフレンチ。どの皿も旨過ぎて、ワインも進み、夢のようなひとときでした。そして、ほんとに夢のように、もう2度とあのデリシャスな皿を味わうことは叶わないんですよね。お店が無くなるのってほんと悲しいことです。

美村(虎ノ門)
12月20日閉店。再開発のため店舗取り壊し。移転先を探しているとのこと。昼は焼魚や煮魚の定食、夜は居酒屋。会社から近いのでお昼に何度か足を運びました。まさに今日が閉店だったため、‪12時半頃‬に行ってみると、閉店を聞きつけたのかいつも以上の行列ができていて、あと5人のところで、おかみさんが表に出てこられて「魚が切れちゃいました。お寒いのに申し訳ありません」。もう少し早く来ればよかった。後悔先に立たずですね。

信越そば(外苑前)
‪12月28日‬、ビル建て替えのため‪一時‬閉店。外苑前にある24時間営業の路麺で、隣にイタリアンの「サバティーニ」があることから、それをもじって一部では「ソバティーニ」と呼ばれていました。神宮で野球観戦の前後にお世話になることが多かったのですが、このあたりは立ち食いそば不毛地帯なので、球春が訪れたら、どこで腹ごしらえすればいいのか、悩みの種がひとつ増えてしまいました。
ここで紹介した以外にも、以下のお店が閉店、もしくは閉店予定です。

かんだ食堂(秋葉原)‪3月24日‬閉店
三州屋(神田)‪4月14日‬閉店
前川(恵比寿)‪4月28日‬閉店
ロックフィッシュ(銀座)‪5月17日‬閉店→移転
三朝庵(早稲田)7月閉店
山王家(赤坂)7月閉店
角萬(龍泉)11月16日閉店→移転予定
長崎飯店(麹町)11月21日閉店
ホルモンつみき(吉祥寺)11月25日閉店
紅蠍(虎ノ門)12月5日閉店
萬金(新富町)12月27日閉店
慶楽(有楽町)‪12月28日‬閉店
ハリウッド(赤羽・北千住)‪12月30日‬閉店

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。